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平成20年度 インドネシア人介護福祉士候補者日本語研修 介護福祉士国家試験結果報告会

 

平成20年度インドネシア人介護福祉士候補者日本語研修
介護福祉士国家試験結果報告会

 

平成20年度、関西国際センターでは、EPAに基づいてインドネシアから来日した56名の介護福祉士候補者を対象に、6ヶ月間の日本語研修を行いました。その後、3年間の介護施設での就労・研修を経て、2012年1月に国家試験を受験し、19名が合格しました。関西センターでは2012年4月25日に国家試験結果報告会を開催しました。めでたく合格された5名の修了生に、センターでの日本語研修や日本での生活、国家試験準備などについて聞きました。

IKFU-7.JPGのサムネール画像

座談会参加者

ユリウス:Yulius Yesaya Ampang カリマンタン出身。来日前の日本語学習歴6ヶ月。

ロフマン:Rochman チレボン出身。来日前学習歴3ヶ月。

アスリ:Asri Fujianti Saelan チレボン出身。来日前学習歴3ヶ月。

タリ:Lestari Rahayu スマトラ、ランプン出身。来日前学習歴無し。

ディア:Diah Eko Yniarti ジャカルタ出身。来日前学習歴無し。

登里:登里民子(聞き手 関西国際センター日本語教育専門員) 

 

関西センターでの日本語研修について

 

登里 :合格おめでとうございます。今日は報告会に来てくださって、ありがとうございました。

全員 :こちらこそ、ありがとうございます。

登里 :3年前、関西センターでの日本語研修はいかがでしたか。

アスリ :とてもよかったと思います。日本に来たとき、日本の文化や言葉はあまり知りませんでした。漢字や日本語の発音はセンターに来て、初めて勉強しました。日本の文化、茶道、書道、着付けなども初めて勉強しました。それがとても役に立ちました。

ロフマン :先ほどアスリさんも言ったように、日本の文化とか漢字とか日本人の生活とか、ここで初めて教えていただきました。ホストファミリーも会話パートナーの方も、みんな一生懸命教えていただいて、本当に役に立ちました。

登里 :ありがとうございます。タリさんは?

タリ :皆さんと同じで、本当によかったです。最初、日本はどんな国か、日本語はどんな言葉か、全然知りませんでした。日本に来たとき、私は赤ちゃんみたいで何もわかりませんでした。日本文化とか言葉、生活について教えていただき、本当に助かりました。

ディア:最初は日本人が言うこともわからないし、漢字も全然読めないし…。日本語を勉強した後、頭が明るくなった気がします。少しずつ漢字が読めるようになって、しゃべることもできるようになりました。昔と今の私を比べたら、すごく違いますね。

登里 :研修では一般的な日本語のほかに、介護の言葉や会話も勉強しましたね。それは役立ちましたか。

ユリウス:はい。センターで勉強しないで施設に入ったら、もっと大変だったと思います。

 

日本での生活と学習 

 

登里 :日本に来て、カルチャーショックを感じましたか。

アスリ :日本は寒くて、インドネシアと全然違います。インドネシアの人は一日二回シャワーを浴びますが、日本では冬、朝シャワーを浴びて風邪をひいたりしました。それに食生活も違います。日本の食べ物に食べ慣れたら、体も慣れてきて、寒いときはどうすればいいか、わかるようになりました。お風呂に入ったり、布団も暖かくして、食べ物も、冬はビタミンを摂ったりとか。

登里 :気候は違いますね。他に、日本に来て困ったことなどありますか。

タリ :私は富山県にいますが、とても雪が多いです。富山に来たとき、毎日泣きました。冬は自転車に乗れず、冷蔵庫の中に食べ物もなくても、買い物には歩くしかなくて大変でした。冬は勉強するにも寒いし、暖房も使ってもまだ足りません。朝、ドアを開けたら雪が積もっていて、必ず雪かきをしないと出かけられませんが、今でもまだ慣れません。

ロフマン:一番困ったのは宗教です。モスクもないし、お祈りの時間もわからないし、食べ物には豚肉が入っているものが多いし。でも、周りの日本人は私を大切にしてくれたので、少しずつ慣れました。

 

初めは宗教の違いにとまどったというロフマンさん。

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    2年目、3年目にだんだんモチベーションが上がってきた
というディアさん。合格後、ロフマンさんと結婚する
ことになりました。本当におめでとうございます。

 

登里 :施設で仕事もしながら、国家試験の準備をする生活はどうでしたか。

ディア:最初はどうしたらいいかわからなくて、1年目はあまり勉強が進みませんでした。でも、

JICWELS(注)の研修で勉強の方法を学び、少しずつ勉強を始めたら、未来が見えるようになって、2

年目3年目はモチベーションも上がってきました。

ユリウス:まずはやる気、それから自分自身、そして環境、4番目はお祈り、最後は夢。大切なのはこの5つです。

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ユリウスさん。合格のために必要なものは、やる気、自分自身、環境、お祈り、夢だそうです。

 

登里 :環境は、本当にそれぞれ違いますね。その中で、皆さんはやる気をずっとキープしたのですね。

タリ:モチベーションは時々落ちることもあります。でも諦めなければ、自信が持てるようになる。

登里 :諦めないことが大事なんですね。

タリ:はい。最後の最後まで。

登里 :この3年間、関西センターの修了生同士、よく連絡を取りあいましたか?

ユリウス :はい。Facebookでよく情報交換していました。

ロフマン :研修に参加したときいろいろ話したり、勉強の方法を教えあったり。友だちに会うと楽しいし、いろいろなアドバイスをもらうと、モチベーションも上がります。

登里 :関西センターでも2回、フォローアップ研修をしましたね。それは役立ちましたか。

ロフマン:とても役立ちました。でも、修了生全員が参加することができなかったのが、ちょっと残念でした。センターで一緒に勉強して、目的も同じ仲間だから、みんなで一緒に勉強したかったです。

 

国家試験に向けての準備

 

登里 :これから国家試験を目指す後輩に、勉強方法についてアドバイスをお願いします。

ユリウス :私が合格したのは運がよかったからです。ハハハ、冗談です。具体的な勉強のし方は、一週間分のスケジュールを作ります。月曜日に何を勉強するかとか。もし月曜日にそれができなかったら、必ず次の日にやる。何かわからないところがあったら、とりあえず辞書で調べて、それでもわからないときは同僚、それでもわからなければ専門の先生に聞く。それが私の勉強方法です。

アスリ:試験勉強は、最初はすごく大変だと思います。覚えることが多いので、毎日毎日、短時間でもやって、少しずつ覚える。そして、何回も繰り返すことが大切だと思います。

 

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施設でとても大切にしていただいていると話してくれたアスリさん。繰り返して学ぶことが大切だそうです。

 

登里 :「繰り返す」というのは例えば、同じ過去問題を何回もやるということですか?

アスリ :いえ。例えば、介護保険制度のポイントを覚える。その日のうちにできるだけ全部覚えますが、次の日にまた何回も自分で覚える。一週間後には忘れてしまうこともありますから、繰り返しやる。

登里 :試験のポイントを忘れないように、また忘れても繰り返し復習するのですね。

ディア:実は私の場合、一番よかったのは、ギリギリになってから勉強を始めたことです。試験直前に勉強したことは、まだ温かいので、よく覚えていますから。

ユリウス:ディアさんのような、飲み込みの早い人はギリギリでも大丈夫(笑)。飲み込みが悪い人は、もっと早くから準備したほうがいい。研修にも積極的に参加したほうがいいです。

登里:タリさんは?

IKFU-2.JPGタリ:試験範囲で大切なところや、自分が弱いところをよく考えました。私が弱いのは「社会福祉」とか「心と体の仕組み」だとわかったので、よく勉強しました。介護の専門用語は、漢字の読み方や意味が普通の辞書にはなかなか載っていませんから、自分で調べてもわからないときがあります。そのときは、次の日に先生に聞きます。そうやって、専門用語のリストを作って、毎日5つずつ覚えます。そしたら、実際に試験問題を見たとき、「この言葉は見たことがある」とすぐ思いました。

タリさん。関西センターでの経験は、
お金では買えない宝物だと話してくれました。

KCへのメッセージ

 

登里 :最後に、関西センターで皆さんの日本語研修に関係した方々に、メッセージをお願いできますか。

ユリウス:先生方、スタッフの皆さん、6ヶ月、大変お世話になりました。これからも後輩達が全力が出せるように、色々なことを教えてください。お願いします。

ロフマン:6か月、すごく大変だったかもしれませんが、でも、センターで勉強したことがとても役に立ちました。これから後輩達も来るかもしれませんが、後輩達にも是非教えてほしいです。よろしくお願いします。

アスリ :私、合格できました。皆さんがずっと応援してくれて、心から感謝しております。6か月間日本語を教えてもらって、大変お世話になりました。

タリ :私にとって、センターでの経験は宝物です。どこにも売っていない、本当に宝物だと思います。

ディア:私で最後ですね。私達は赤ちゃんのような状態から、だんだん日本のことがわかるようになりました。6ヶ月間、本当にありがとうございました。

登里:皆さん、今日は本当にありがとうございました。

注:JICWELS:(社)国際厚生事業団

 

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座談会後に開かれた懇親会の様子


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