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米国JET記念高校生招へい 2012年度の事業を終了いたしました

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米国JET記念高校生招へい事業は、JETプログラムにより来日し外国語指導助手として活躍中に、東日本大震災により亡くなられた二人のアメリカ人、テイラー・アンダーソンさん(石巻市)とモンゴメリー・ディクソンさん(陸前高田市、2009年度国際交流基金全国JET日本語教授法研修修了者)の業績を讃え、将来日米の架け橋となることが期待されている米国人高校生の訪日研修を行うものです。

本事業は、昨年2011年に第一回目を実施しましたが、この度、以下の協力機関ならびに個人の皆様からの多大なご支援・ご協力を得て、本年2012年度の研修を無事終えることができました(日本滞在は7月11日から25日までの2週間。7月8~9日、25~26日はロサンゼルスでの来日オリエンテーションと帰国報告会)。

【協力機関】(五十音順)
石巻市社会福祉協議会、石巻市立渡波小学校、一般財団法人東北多文化アカデミー、一般社団法人はなそう基金、NPO 法人陸前高田市支援連絡協議会Aid TAKATA、大阪府立泉北高等学校、関西アメリカンセンター、Kiwi club、The U.S.-Japan Council、駐大阪・神戸米国総領事館、米国大使館、宮城県国際経済・交流課、陸前高田市教育委員会、陸前高田市立矢作小学校、陸前高田市立横田小学校  

皆様の多大なご支援・ご協力により厚く御礼申し上げるとともに、全米から選抜された32名の高校生の日本での2週間(7月11日~25日)のハイライトを以下にご報告申し上げます。

 

7月12日(木):大阪府在勤JETラフラー先生のお話

大阪府熊取町で外国語指導助手として勤務しておられるジョナサン・ラフラー先生にお越しいただきました。ラフラー先生の日本とのかかわり、外国語指導助手としてのお仕事、日本での生活、東日本大震災直後の緊急支援をはじめとする社会的な活動、将来のビジョンについて、ご自身の経験に即しながらお話をお伺いいたしました。

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7月13日(金)東北研修:陸前高田市立矢作小学校・横田小学校訪問

大阪から空路で花巻へ。花巻空港からバスで陸前高田市に移動し、陸前高田市立矢作小学校と横田小学校を訪問しました。両校とも、東日本大震災でお亡くなりになったモンゴメリー・ディクソンさんが外国語指導助手として教壇に立っておられた小学校です。
両校では、児童代表による英語を使ってのお出迎え。英語を交えてのクイズやゲームで楽しいひと時を過ごし、そして「モンティー先生」(モンゴメリー・ディクソンさん)を偲びました。  

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7月14日(土)東北研修:陸前高田市内訪問と戸田太市長ご講演

午前中、被災地ボランティアガイド紺野文彰氏のご案内により、陸前高田市内を訪問しました。高校生たちは、津波の威力の凄まじさと被害の大きさ、そして多くの命が失われたという事実に衝撃を受け、言葉を失っていました。旧市役所前では、モンゴメリー・ディクソンさんをはじめ、震災で亡くなった方々の冥福を祈りながら、黙祷を捧げました。

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午後、陸前高田市役所新庁舎に、戸羽太陸前高田市長を訪問しました。陸前高田市の被災状況や米国とご自身とのかかわり、そして復興に向けてのビジョンについてお話いただき、米国高校生32名も真剣に耳を傾け、活発な質疑応答が行われました。

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7月14日(土)東北研修:ホテル望洋加藤社長ご夫妻のお話

陸前高田市訪問中の宿舎となった気仙沼市のホテル望洋で、代表取締役社長の加藤英一氏、女将の加藤富子氏ご夫妻のお話を伺うことができました。ホテル望洋では、震災直後から70日間にわたって100~200人の被災者を受け入れ、現在は、小中高生の学習支援を中心に大学生のボランティアコーディネートを行っているNPO法人「底上げ」のメンバーや、加藤氏が米国に留学しておられた頃の縁を頼って来日する米国の若者たちに、場を提供しておられます。「震災のあと、多くのものを失ったけれども、古い縁がつながったり、若い方々との出会いがあったり、大切なものを得ることができた」というお二人の言葉に、皆、心を打たれました。

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7月15日(日)東北研修:気仙沼市内視察と「日米高校生サミット in 陸前高田2012」

早朝、気仙沼観光コンベンション協会被災地ガイドの熊倉俊輔氏に、気仙沼で被害の大きかった鹿折地区と魚市場をご案内いただきました。また、被災者の声を映像や音声、文書で記録するプロジェクトを進めておられる内倉あづさ氏やNPO法人「底上げ」の花原諒氏にもご同行いただき、それぞれのプロジェクトについてご紹介いただきました。  

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午後は、気仙沼から陸前高田市役所へ。特定非営利活動法人陸前高田市支援連絡協議会AidTAKATA主催「日米高校生サミット in 陸前高田2012」に参加。一般社団法人はなそう基金の古森剛氏や佐藤徳之氏をはじめとするファシリテーターに助けていただきながら、大船渡高校、高田高校から参加した27名の高校生と一緒に、「将来のために一緒にやれること~国境を越えた絆の価値」をテーマに話し合いました。

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この模様は、各メディアでも大きく取り上げられました。 当日の様子は以下の共同通信社リンクにて動画でもご覧いただけます。

http://www.47news.jp/movie/general_national/post_7177/

http://www.youtube.com/watch?v=aXhjUg1khjg

夕方は、大船渡・高田高校生12名、Aid TAKATAの皆さんと夕食交流会。日米の未来を担う高校生同士の絆が深まりました。

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7月16日(月)東北研修:仙台オリエンテーリング

仙台では、一般財団法人東北多文化アカデミーのご協力を得て、東北大学、宮城学院女子大学、仙台白百合女子大学の大学生ほかの皆様に市内をご案内いただきました。押谷祐子 代表理事から「復興の途についたばかりの沿岸部と日常生活を取り戻した仙台と、どちらも東北の姿です。ありのままの姿を見て下さい。そして、また東北に戻ってきて下さい」とご挨拶いただき、32名の米国高校生は、小グループで仙台市内を散策しました。  

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7月17日(火)東北研修:石巻市訪問

石巻訪問に際しては、はるばる米国から駆けつけて下さった藤崎順子駐米日本大使夫人、娘さんの藤崎麻里氏、宮城県庁国際経済・交流課の田中充氏、国際交流員のキャメロン・ピーク氏にご同行いただきました。

石巻市では、震災の犠牲となったテイラー・アンダーソンさんが教壇に立っておられた7つの学校に、ご遺族とアメリカンクラブから「テイラーさんが子供の頃に大好きだった本」がテイラー文庫として日本語・英語で寄贈されています。今回、高校生たちの訪問を受け入れて下さった石巻市立渡波小学校では、木工作家の遠藤伸一氏制作の美しい本棚に、絵本や児童書がきれいに並んでいました。

松浦達夫校長先生、堺章彦教頭先生のご案内のもと、テイラー・アンダーソンさんが英語を教えておられた英会話サークルの佐々木恭子氏や遠藤伸一氏にもご一緒いただき、テイラー先生との思い出やテイラー文庫設立の経緯、喪われた大切な人たち、物たちの記憶を風化させないための取り組みについてお話しいただきました。

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その後、被災し現在使用できなくなっている渡波小学校旧校舎に移動し、堺章彦教頭先生に校舎内をご案内いただきました。  

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テイラーさんのご遺体がみつかった渡波中学校・市立女子商業高等学校近くの住宅地でバスを下車し、全員黙祷を捧げました。

 

石巻市社会福祉協議会では、石巻市の被災状況と社会福祉協議会の活動について、災害復興支援対策課長補佐の阿部由紀氏と小出哲也氏にご講義いただきました。

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夕刻、テイラー・アンダーソンさんが英語を教えていた英会話サークルKIWICLUBの皆さん、石巻市に勤務しておられる3人のJET外国語指導助手、石巻好文館高等学校高校生の皆様との交流会を実施、テイラーさんを偲びました。

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7月19日(木)大阪府立泉北高等学校訪問と駐大阪・神戸米国総領事館訪問

東北研修旅行から戻った翌日、大阪府立泉北高等学校を訪問しました。桑原志郎校長先生に歓迎のご挨拶をいただいた後、美術クラスで切り絵のブックマークを作ったり、書道の授業に参加したり、JET外国語指導助手も参加しての国際理解のクラスでは、英語によるゲームを行いました。

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午後、泉北高等学校の高校生たちと一緒に駐大阪・神戸米国総領事館を訪問。パトリック・ジョセフ・リネハン総領事の「日米関係は、どこか高いところにあるもの、抽象的なものではなくて、あなたと私の関係、個々の人々のなかにあるものなのです」という言葉に、日米関係がずっと身近に感じられるようになりました。
米国総領事館の領事の皆さんによる、安全保障や政治・経済・市民社会、それぞれの分野での日米関係や留学に関するご講義のあと、小さなグループにわかれて「日米関係をもっとよくしていくために必要なこと」について議論し、その成果を発表しました。

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7月21日(土)~22日(日)ホームステイ

週末には、大阪府立泉北高等学校の高校生のご家庭にホームステイさせていただきました。日米の高校生たちはすっかり仲良くなり、ご家族の皆さまにも本当の家族のように接していただいて、大阪にもうひとつの家ができました。

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7月23日(月)文化体験

帰国の日が近づき、研修成果発表会のための準備も佳境に。午後には、浴衣を着たり、和太鼓を演奏したり、日本の伝統的な文化を体験しました。

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7月24日(火)発表会・修了式・歓送会

研修締め括りの発表会。大阪府立泉北高等学校の山本好男教頭先生、平木雅己国際文化科長、大阪府熊取町JET外国語指導助手のジョナサン・ラフラー先生、高校生、ホストファミリーの皆様など、多数の方々にご出席いただいて、8グループの代表が「日本での体験」をテーマに日本語で発表しました。

東日本大震災後の復興状況について、米国では全く報道されておらず、東北は復興したと思い込んでいたこと。被害の大きさに言葉を失い、自分の家族や友人がその場にいたら…と想像して喪われてしまったものの大きさに涙したこと。復興のためには皆の協力が必要だと感じたこと。日本で経験したことを米国の家族や友人たちと共有していきたいこと。……米国高校生32名は、2週間の日本滞在で多くのことを学びました。

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修了式には、モンゴメリー・ディクソン氏の出身校であるアラスカ大学アンカレジ校と陸前高田市との交流事業を計画するために来日中の、ご遺族シェリー・フレドリクソン氏が駆け付けて下さいました(CGPプレス・リリースにリンク)。

3月11日、東日本大震災の朝に、モンゴメリー・ディクソンさんが友人に頼まれて翻訳した司馬遼太郎のテキスト「世のためのつくした人の一生ほど、美しいものはない/There's nothing as beautiful as dedicating one's life for a cause」が、同年秋、ヒラリー・クリントン国務長官のスピーチに引用されたことを例に、個人の日々のささやかな努力が、たくさんの人に影響を与える大きなものに発展していく可能性が常にある、今回研修に参加した高校生にとって人生はまさにこれからで、もっと、もっと頑張って欲しいとの激励の言葉が贈られました。

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歓送会ではホールでの交流が終了したあともロビーにてヴァネッサ・カールトンの「ア・ サウザンド・マイルズ」を合唱。最後まで名残惜しい会になりました。

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ご多忙の中、厚いご支援ご協力を賜りました石巻市社会福祉協議会、石巻市立渡波小学校、一般財団法人東北多文化アカデミー、一般社団法人はなそう基金、NPO 法人陸前高田市支援連絡協議会Aid TAKATA、大阪府立泉北高等学校、関西アメリカンセンター、Kiwi club、The U.S.-Japan Council、駐大阪・神戸米国総領事館、米国大使館、宮城県国際経済・交流課、陸前高田市教育委員会、陸前高田市立矢作小学校、陸前高田市立横田小学校はじめ各協力機関の皆様、米国人高校生に復興に向かう陸前高田市の未来を語っていただいた戸羽太陸前高田市長、石巻市で亡くなられたMs. Taylor Andersonさんのお父様、Mr. Andy Andersonさんが設立されたテイラー文庫の訪問に米国から駆けつけてくださいました藤崎駐米大使夫人、猛暑の中、ボランティアで駆けつけてくださったたくさんの個人の皆様、本当にありがとうございました。


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