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外交官・公務員研修生 防衛省防衛研究所(NIDS, National Institute for Defense Studies)を訪問

 

2013年4月4日 (木) 

 国際交流基金関西国際センターでは、自治体や企業、教育施設など、外部機関と幅広く連携し、効率的で効果の高い事業の実施に努めています。

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 今般、防衛省防衛研究所のご協力により、関西国際センターにて日本語を学んでいる世界37カ国から集まった外交官・公務員研修生達(39名)が防衛省防衛研究所を訪問する機会を頂きました。

 防衛省防衛研究所は、防衛省の政策研究の中核として、主に安全保障や戦史に関しての政策指向の調査研究を行う機関です。また、自衛隊の高級幹部等の育成のための戦略大学レベルの教育機関としての機能も果たしています。また、2010年12月に安全保障会議及び閣議で決定された防衛大綱では、「安全保障に関する調査・研究を推進する」ことが掲げられ、特に東アジアの安全保障に関するスペシャリスト、研究者を多く輩出しています。これらの活動により、防衛研究所は日本の安全保障政策においてゆるぎない地位を確立しています。

 防衛省防衛研究所と外交官・公務員日本語研修生とは、2003年より毎年4月に意見交換会を実施しています。この日の訪問では、冒頭で政策研究部長・坂口賀朗様より歓迎の挨拶がなされ、三角智子2等陸佐より防衛省防衛研究所の概要、研究内容・活動についてご説明を頂きました。次いで、地域研究部長・片原栄一様より「東アジア戦略概観2013」の概要についてブリーフィングして頂き、そして地域研究部アジア・アフリカ研究室教官・山口信治様より「中国安全保障レポート2012」についてご説明・解説を頂きました。

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 その後、研修生との質疑応答の時間を頂き、研修生達からは「憲法9条のもとで、日本の自衛隊に軍事活動をすることは許可されていないが、今後改憲することはあるのか、また、どのように軍事活動なしで、国際社会へ貢献するのか」、「日本が自衛の為、核武装する可能性はあるか」(アンゴラ、ボツワナ)といった、鋭い質問が出されました。研究者の方からは、国際社会貢献の一例として、自衛隊の国連PKO活動への参加についてお話を頂き、現在も技術援助の一環として、南スーダンへエンジニアを送っているという事例をご紹介して頂きました。本年度の外交官・公務員日本語研修参加者の中に、南スーダンからの参加者(外交官)がいたことから、「この場をお借りして、日本政府の援助に感謝したい」というお礼のコメントも出ました。

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  また、東アジア、特に南シナ海の領土問題について、フィリピン外交官からの「フィリピンと中国の間で領土問題を巡り緊張状態が続いているが、ASEANはこの問題に関して介入・仲裁するだろうか。または、この問題を国際司法裁判所(ICJ)にもっていく可能性はあるか」という非常にタイムリーかつ繊細な問題の質問に関しては、研究者の方からASEANが過去、管轄地域内の領土問題について仲裁した事例などを交え、意見を伺うことができました。また、国際司法裁判所(ICJ)において、国際法のもとに、領土問題を解決した例などもお話して頂きました。その後も様々な話題について、熱のこもった質疑応答が続きました。

 活発な意見交換会を終えた後、今回訪問の機会を頂いたことへのお礼をインドネシア公務員・国防省語学研修所スタッフのサフリルさんからさせて頂きました。安全保障、国防、といった問題は世界共通の課題であり、こういった問題こそ、世界各国が協力し合って、解決していくものだと実感する貴重な機会となりました。

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 それぞれの参加国の将来を担う若手外交官・公務員にとって、また、将来、日本との窓口になることが期待される研修生達にとって、日本を含む東アジアの抱える安全保障について専門家と意見を交えることは、非常に有意義な時間となりました。

 

 今回の訪問に際してご協力頂きました、防衛省防衛研究所の皆様、どうもありがとうございました。

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防衛省防衛研究所ホームページ「フォトニュース」 → http://www.nids.go.jp/phnews/index.html


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