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受託研修:カタール青少年訪日研修を実施いたしました。

 

国際交流基金関西国際センターでは、海外の非営利日本語教育機関の委託を受けて(1)日本語を運用すること、(2)日本の文化・社会について理解を深めること、(3)自身の日本語学習について考えることを目標とした集中日本語訪日研修を多数実施致しています。

今般、2013年4月7日(日)から4月20日(土)まで、アラビア半島東部のカタール半島にあり、中東屈指の国際都市ドーハを擁するカタールの文化芸術歴史遺産省の委託を受け、カタールで日本語を学んでいる若者15名とカタール政府からの引率者3名をお迎えして訪日研修を実施しました。

本研修は、当センターで実施している外国政府の外交官・公務員を対象とした日本語研修(2011年9月~2012年5月、8ヶ月間)に参加したカタールの外交官であるアブドゥラ・ジャシム・アルジャーラ氏の発案により、カタール政府から委託を受けて実施に至ったものです。アルジャーラ氏は、当センター滞在期間中の日本人との交流や日々の経験に感激し、「カタールで日本語を学んでいる若者たちにも、日本を体験する機会を提供したい」と、本国に働きかけました。そして、ユセフ・ モハメド・ビラール駐日本カタール大使やカタール文化芸術歴史遺産省のアブドル・ラフマン・モハメッド・アルハージリ青少年局長の支持を得て、カタール文化芸術歴史遺産省主催によるカタール青少年のための訪日研修が実現しました。今回、来日した若者15名は、カタールの新聞で広く募集された日本に関心のあるカタール青少年たちで、カタール文化芸術歴史遺産省青少年局が面接のうえ選抜しました。

2週間にわたる本研修のハイライトをご紹介します。

 

4月8日(月):開講式・日本語授業

開講式では、当センター副所長村田曉彦の歓迎挨拶に続き、カタール文化芸術歴史遺産省のアブドル・ラフマン・モハメッド・アルハージリ青少年局長からお言葉を頂戴しました。アブドル・ラフマン局長は、早稲田大学留学経験のある日本通。日本での生活の心構えにつき、自らの経験に基づきご説明いただきました。前日夜中に到着したにもかかわらず、皆、疲れを見せずにアブドル・ラフマン局長のお話に聞き入りました。
短期間の日程でも最大限の効果をあげるため、午後には早速日本語の授業を開始。自己紹介や道案内など実践的な日本語を練習しました。

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4月10日(水)~11日(木):京都研修旅行

京都では、日本の古い文化、現代の文化の両面を学ぶことができます。まずは北野天満宮や清水寺、金閣寺など、歴史的な社寺仏閣を見学、また丸益西村屋では友禅染を体験し、古くから京都に根付き育まれてきた代表的な日本文化に触れました。続いて京都国際マンガミュージアムを訪れ、19世紀後半から現在に至るマンガの歴史やその多様性について紹介した常設展の見学に加えて、20世紀前半に日本全国の子供たちに親しまれた「紙芝居」の口演を見学。臨場感溢れる語りに、皆引き込まれ、大変感動したようです。
研修旅行の意義は、日本文化を体感できることだけではありません。教室から一歩外にでることで、様々な機会を通じて日本人と会話することができ、各自の日本語能力や学習意欲の向上に繋がります。今回の京都研修でも、友禅染体験の講師の先生や清水寺参道の土産物屋の店員さんなどに積極的に日本語で話しかけ、「日本語が通じた!」と実践の成果を体感していました。

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4月13日(土)~14日(日):東京研修旅行

東京では、ユセフ・ モハメド・ビラール駐日本カタール大使に公邸での昼食会を開催いただき、国際交流基金理事の田口栄治より受託研修の御礼を申し上げました。ビラール大使からは、日本文化の魅力について、お店での接客や包装など、身近な例をあげながら、わかりやすくお話していただきました。日曜日には、駐日アラブ大使夫人の会が主催するチャリティー・バザーに参加し、アラブ文化の日本でのアピールにも参加。民族衣装で参加した人たちは、たくさんの日本人から話しかけられ、一緒に写真を撮ってほしいと依頼されるなど、日本側のアラブに対する関心の高さについても知ることができました。日本人の訪問客がアラブ各国の写真に見入り、雑貨やフードを楽しんでいる様子を見て、皆、日本とカタールの友好関係の促進に役立てたことに満足したようです。自由行動時間は、各々の関心に沿って、公共交通機関を使って、銀座、浅草、秋葉原、渋谷を見学。自由に東京の街を歩きまわることができて、自分たちの日本語力と行動力に自信を深めた様子でした。

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4月16日(火)~17日(水):広島研修旅行

宮島では、瀬戸内の静かな海と調和した厳島神社や木々の緑、夕刻観光客がいなくなった後の静かな町並みに、日本人が長く守ってきた自然や文化・伝統を感じ、感銘を受けた参加者が多かったようです。マツダミュージアムでは、世界で初めてロータリーエンジンを実用化させるなど技術革新に努めてきたマツダの歴史や技術について展示を見ながら解説していただいた後、組み立て工場を見学し、日本の科学技術の発展についても学びました。また平和記念公園と資料館では、原爆被害の恐ろしさを再確認するとともに、被爆者やそのご家族の苦しみを思い、平和への願いを新たにしました。

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関西国際センターでの日本語授業・文化体験

日本の伝統文化を学び、体験することは、日本理解の更なる促進に繋がります。本研修では、着物着付、生け花、和太鼓、書道と計4回の日本文化体験を実施しました。着物着付の授業では、今井喜美子先生に着物を着せていただいたあと、着物を身に着けたときの歩き方や座り方など、所作についてご講義いただきました。阿部祐子先生による、生け花の授業では、お花や道具の種類、お花を活けるときの注意点についてお話していただいた後、皆、思い思いの方法でお花を活け、センター内に作品を展示しました。

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また、本研修発案者であり、カタール文化芸術歴史遺産省の引率者の一人でもあるアブドゥラ・ジャシム・アルジャーラ氏が2011年外交官公務員日本語研修に参加していたころに知己を得たNPO法人 泉佐野地球交流協会の皆さんのご協力を得て、ホームビジットを実施。日本人の暮らしを垣間見ることができました。

研修旅行出発前は、研修旅行やホームビジットで日本人とコミュニケーションをはかるための実践的な日本語を勉強しましたが、後半は日本滞在を振り返り、自らの体験をお互いに共有するための発表のための日本語を学びました。そして、研修締め括りの「発表会」では、日本で一番印象に残ったこと、好きな食べ物、家族のために買った土産をテーマに、日本語でグループ発表しました。短期間の研修ではありますが、来日直後に比べ、皆日本語のスピーチ力・会話力が向上し、スムーズに発表を行うことが出来ました。そして何より、自信を持って日本語を話すことができるようになったことは、この研修の成果といえるのではないでしょうか。

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4月19日(木):修了式

そして最終日。ホームビジットでお世話になった泉佐野地球交流協会の皆さんをお招きして修了式を実施しました。当センター副所長の村田曉彦より、参加者全員に修了証書を授与し、ご挨拶させていただいた後、カタール政府を代表してアブドゥラ・ジャシム・アルジャーラ氏から、来賓を代表して浅野尚未外務省大阪分室長からお祝いのご挨拶をいただき、最後に、研修参加者代表のヘッサ・モハメッド・アルネスフさんがご挨拶して、無事、2週間の研修が終わりました。アルジャーラ氏からは、本研修の成功を帰国後に本国政府に伝えること、来年度以降も本研修を継続実施したいとの表明がありました。なお、本グループの滞日中も、本研修はカタール国内の報道機関で大きく取り上げられていたようです。

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ユセフ・ モハメド・ビラール駐日本カタール大使やNPO法人 泉佐野地球交流協会の皆さんなど、たくさんの方々の支援を得て、成功裏に終了することができました。多大なご協力を賜りました関係者の皆様に、改めまして御礼を申し上げます。


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