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李秀賢氏記念韓国青少年訪日研修:
関西での研修の様子をお伝えします〈2〉

 

国際交流基金関西国際センターでは、外部機関と幅広く連携し、効率的で効果の高い事業の実施に努めています。

 

 

 平成13年1月26日、東京・JR新大久保駅で線路に落ちた乗客を助けようとして、関根史郎氏と李秀賢氏のお二人が亡くなられました。李秀賢氏は韓国高麗大学からの留学生で、日本と韓国の架け橋となるべく日本の大学院進学を目指し、日暮里にある「赤門会日本語学校」で学んでいるところでした。
 国際交流基金では、日韓の架け橋となるという李秀賢氏の遺志を次世代に引き継ぐため、韓国で日本語を学習し、日本及び日本文化に関心を有する青少年30名を招へいし、日本の文化、社会及び日本語への理解を深めると共に、日本の同世代の青少年との交流を図るために「李秀賢氏記念韓国青少年訪日研修」を実施しています。今年で13回目となる今回の研修は、1月13日から実施され、去る25日、無事に研修生30名全員が研修の全課程を修了し、韓国に帰国いたしました。

 

 前回の記事では、本研修参加者の大阪府立佐野高等学校及び大阪韓国文化院訪問の際の様子をお伝えいたしました。(http://www.jfkc.jp/ja/news/2014/02/post-122.html)
 今回は、研修生の立命館大学訪問、研修最後の発表会及び修了式の活動様子をお届けいたします。
 なお、大阪での研修に先立って行った本研修の東京研修(1月13日-15日)の様子もご紹介しております。(http://www.jfkc.jp/ja/news/2014/01/30-1.html

 

【1月21日(火)立命館大学国際関係学部訪問】
 国際交流基金では、「留学生30万人計画」への協力を念頭に、関西国際センターに来訪し日本語を学習する研修生に対し将来日本の大学へ進学することを奨励するため、日本の大学を紹介するさまざまな取り組みを行っております。
 中でも本研修に参加する韓国の高校生たちは、韓国全土から選抜された非常に優秀な学生であり、実際、過去に本研修に参加した先輩たちの中には、立命館大学をはじめ東京大学、早稲田大学など日本の大学に進学した者も数多いです。本研修では、昨年度より、研修生に日本の大学についてより深く知ってもらうために大学を訪問し韓国人留学生及び日本人大学生と交流する場を設けました。
 さらに今回の訪問では、2013年4月から新しく就任された、国際関係学部の文京洙(ムン・ギョンス)学部長から直々に立命館大学、そして日韓関係学についてお話を聞くことができました。
 まず、文先生から日本の在日韓国人の事情を含め、日韓関係を考えるときに重要になる事件等についてご説明いただきました。研修生の中には文先生に質問をする者もおりました。

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 日韓関係についてご説明いただいた後は、文先生が直々に立命館大学国際関係学部の取り組みについてご説明くださいました。同学の国際関係学部は、日本の国際関係学部の中でも最も早い時期に設立され、優秀な人材を多数輩出されています。研修生は同学部の説明を聞き、「日本の大学はあまりイメージできなかったけど、韓国の国際関係学部とも取り組みが違うようで面白そう。」や「立命館大学国際関係学部の視点はとても独特で、自分も一緒に勉強してみたい。」などのコメントをしておりました。

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 文先生のお話のあとは、同学国際関係学部に進学している本研修OBのイ・チャンジンさん(2010年参加)やイ・スルビさん(2010年参加)をはじめ、韓国人留学生、日本人大学生との交流会を行いました。交流会では6つのグループに分かれ、それぞれのグループがくじを引き、くじに書いてあるテーマに沿って意見交換をする形で行われました。

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 研修生からは「日本で生活するためには実際どれくらい生活費がかかりますか?」、「日本の大学に進学するためにはどのように勉強すればいいですか?」、「大学卒業後はどんな仕事がしたいですか?」など、先輩たちに対し、積極的に色々な質問をしていました。交流会はほとんど日本語で行われ、研修生の高校生、韓国人留学生、日本人大学生みなとても盛り上がっていました。

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 立命館大学訪問では、研修生が普段抱いていた、漠然としていた日本留学のイメージをはっきりさせることができました。元々留学を希望していた研修生はその意志をもっと強くさせ、留学に興味がなかった研修生は「日本留学に挑戦してみよう」と留学に対するきっかけをもつことができました。
 改めましてご多忙のところ時間を割いてくださった、立命館大学国際関係学部の文京洙学部長、RIRIE - 国際交流実行委員会の皆様、本研修OBのイ・チャンジンさん、イ・スルビさんほか交流会に関わっていただいた皆様に厚くお礼申し上げます。

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【1月24日(金)最終発表会】
 立命館大学訪問を含む京都研修旅行を終えた後、研修生は発表会の準備に取り掛かりました。例年、本研修の最終発表会では研修生がグループに分かれ、それぞれ研修期間中に新たに発見したこと、感じたことなどについて発表を行っています。

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 今回の研修生は以下のタイトルで発表を行いました。

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              ホームステイ中にびっくりしたこと、初めて知ったことを発表しました。
        写真で発表している研修生は家庭でたこ焼きが作れることにびっくりしたそうです。

 

r12.jpg                    「韓国と日本の高校の違い」
                               制服や時間割など、日本と韓国の高校の違いを発表しました。

 

r13.jpgr14.jpg                    「研修プログラムランキング」
                     研修中で最も印象深かったプログラムを3つ、トークショー仕立てで紹介してくれました。
                    第1位はホストファミリーとの大阪探訪、第2位は嵐山散策、第3位はホームステイだそうです!

 

r15.jpgr16.jpg                   「虹色-私たちが感じた日本-」
                         日本に来て感じたこと、みたことを「色」に例えて紹介していました。
                         例えば赤は浅草寺、ピンクは日本の桜とそれに関連したグッズ、黄色は金閣寺、
                        そして金閣寺で写真を撮ってくれた日本人の親切さから思い浮かんだ色だそうです。

 

r17.jpg                   「日本と韓国のお金の文化の違い」
                        日本と韓国のお金の使い方の違いを発表しました。
                        コンビニに行って物を買ってお金を支払うときに、お金の受け皿があることにびっくりして
                        思いついたテーマだそうです。

 

r18.jpgr19.jpg                「私達の日本の交通の体験はこうやったで!」
                          日本に来て乗った乗り物について発表していました。
                          日本のバスだと、後ろから乗って前から降りるシステムに驚いたそうです。

 

 今回の発表会では、ホストファミリーになってくださった大阪府立佐野高等学校の生徒の方々にもたくさんご参加いただきました。発表会中は、日本人高校生と研修生の間で質疑応答も活発に行われていました。

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【修了証書授与式】
 大いに盛り上がった発表会の後には、研修生30名全員が無事に研修の全課程を修了したことを祝し、修了証書授与式を行いました。修了証書授与式には佐野高校のホストファミリーの皆様のほかに、研修生の訪問でお世話になりました、新井時賛 学校法人赤門会日本語学校理事長、朴英恵(パク・ヨンヘ) 駐大阪大韓民国総領事館韓国文化院長や山田勝治 大阪府立佐野高等学校長にもご臨席を賜りました。ご多忙にも関わらず、研修生をお祝いにお越しいただいた皆様のおかげで、今回の修了証書授与式は合計約100人が参加された、大変盛り上がる授与式となりました。

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 研修生30名全員へ修了証書授与を行った後、ご来賓の皆様を代表していただき、大阪韓国文化院の朴院長と佐野高等学校の山田校長先生より一言ご挨拶をいただきました。

 

r24.jpg 朴院長からは「日本と韓国はお互いに一番近い隣国であり、特に最近の若者は区分がつかないくらい顔やファッションも似ているけれど、文化は色々と違うところがあり、国家間のトラブルも少なからずある。しかし、こうやって若者同士がお互いの文化を交流し、力を合わせ、日韓の明るい未来を作っていってくれることを期待している。」とのお言葉を頂戴致しました。

r25.jpg 山田校長先生からは「佐野高校は、本研修がはじめて実施されたときからずっと交流パートナーとして長く協力してきている。本研修での交流会は日本人の高校生にも大きな刺激になっている。本研修をきっかけにしてこれからも日韓交流が深まっていくことを願っている。」とのご挨拶をいただきました。

 

 前回の記事でもご紹介したように、この度、研修生30名は、大阪韓国文化院と佐野高等学校でとても大切な経験をしました。(ご参照: http://www.jfkc.jp/ja/news/2014/02/post-122.html
 朴院長と山田校長先生のお二方のお言葉は、これから日韓関係の未来を担っていく研修生を勇気付けさせる貴重な内容でした。お二方から研修修了及び新たな門出のお祝いのお言葉を頂戴できたことを、研修生みな感謝しているだろうと思います。改めまして素敵なご挨拶をしてくださったお二方に深くお礼申し上げます。

 

 お二方のご挨拶のあと、研修生30名を代表し、アン・ビョンソンさんがお礼のスピーチをしてくれました。アンさんは「研修中にたくさんの日本人の方々、そして同じく日本語を熱心に勉強する仲間30名に出会えたことに感謝している。韓国に帰っても日本語の勉強に精進していきたい。」と述べました。

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 修了式に引き続き、歓送会を実施いたしました。乾杯の音頭は、李秀賢さんが生前に通っていた、赤門会日本語学校の新井理事長にとっていただきました。新井理事長からは李秀賢さんの生前のことや最近、彼を記念するためにどのような活動が行われているのか、併せてお話を頂戴することができました。研修生は来日してすぐ赤門会日本語学校を訪問し、同校及びエルエスエイチアジア奨学会の皆様から、李秀賢さんに関する素晴らしいお話をお聞きし、李秀賢さんの志を再確認する時間をもちました。(ご参照:http://www.jfkc.jp/ja/news/2014/01/30-1.html
 李秀賢さんと実際に交流されていた、新井理事長の乾杯で研修生の新たな門出をお祝いできたことを、研修生及び当センタースタッフ一同大変意義深く感じております。
 ご多忙のところ、今回の修了証書授与式のために、わざわざ東京からお越しいただきました新井理事長に改めて心からお礼申し上げます。

 

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 歓送会の最後には、研修生がご来賓の皆様にお礼の気持ちを込めて「3月9日」という歌を歌いました。みんな、笑いながら泣きながら歌を歌い、日本、そして日本で出会った友達との別れを惜しみました。

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 李秀賢さんが2001年1月26日に亡くなってから13年。2002年1月から始まった本研修も今年で13回目の実施となりました。この度も関係各所の皆様の多大なるご協力を賜り、いつもより豊富かつ充実なプログラムを組み、研修参加者により深く日本を知ってもらう機会を提供することができました。
 本研修では、合計239名の韓国人高校生を受け入れてまいりました。本研修修了者の多数は、日本の大学に留学したり、日本の企業に就職したりするなど、研修が終わってからも日本と関わりと持ち続け、日本と韓国、両国で活躍しています。今回の研修を修了した30名の高校生も先輩たちのように、これからの日韓の素敵な架け橋になってくれることを祈ると共に、研修実施にご協力いただきました関係各所の皆様に心から厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

 

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[平成25年度李秀賢氏記念韓国青少年訪日研修]
ご協力機関:
赤門会日本語学校、特定非営利活動法人エルエスエイチアジア奨学会、大阪府立佐野高校、
立命館大学国際関係学部、駐大阪大韓民国総領事館韓国文化院


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