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大阪大学大学院国際公共政策研究科と連携
平成25年度国際交流基金・OSIPP連携講座を実施しました。

 

国際交流基金関西国際センターでは、自治体や企業、教育機関など、外部機関と幅広く連携し、効率的で効果の高い事業の実施に努めています。

 

国際交流基金・関西国際センターと大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)が連携し、平成25年度外交官公務員日本語研修生へ向けた連携講座を実施致しました。

大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)は、国内外の公共政策課題に対し、法学、政治学及び経済学の基礎の上に立ち、学際的な視点から教育研究を行い、高いコミュニケーション能力と優れたリーダーシップをもつ研究者及び高度専門職業人を養成することを目的として1994年に設立され、様々な専門知識を持った教授陣のもと、世界各地で活躍する優秀な人材を輩出しています。

 

TH1.jpgこの連携講座は、研修生たちが来日して1ヶ月目の2013年10月からスタートし、2014年2月まで毎週金曜日に開催されました。全12回にわたる講義は、OSIPP研究科長の星野俊也教授がコーディネートし、計10名の教授陣が担当いたしました。さまざまな角度から今日の日本をとりまく諸情勢について英語で講義を実施して頂きました。12回の内、2回は大阪大学豊中キャンパスに赴き、講義を受講させて頂き、1回は、大阪大学中之島センターで開催されたEUIJ関西主催のシンポジウムにも参加させて頂きました。この連携プログラムを通して、研修生たちは現代日本の外交や政治・経済から歴史・文化・アイデンティティなどについて理解を深めることができました。

開催日

担当

テーマ

10月11日

佐藤 治子 特任准教授

日本の憲法と政治的アイデンティティ

10月18日

星野 俊也 教授

現代日本の外交・安全保障政策

10月25日

利 博友 教授

自由貿易協定と日本・新興アジアの政策オプション

11月8日

ヴァージル・ホーキンス准教授

日本のメディア

11月15日

中内 政貴 特任講師

日本と地域統合

11月22日

松本 充郎 准教授

日本と環境問題(水問題などを含む)

12月6日

赤井 伸郎 教授

日本の財政再建にむけた歳出改革

12月13日

小原 美紀 准教授

日本における格差の動向

2014年1月10日

神谷 祐介 特任講師

日本のODA:エビデンスに基づいた政策と実践

2014年1月24日

EUIJ関西 国際シンポジウム

産学連携の新しい形を考える

2014年1月31日

竹内 俊隆 教授

日本の核政策と日米関係

2014年2月7日

星野 俊也 教授

OSIPP学生との交流ゼミ

 

2013年10月11日(金)連携講座第一回目では、佐藤治子特任准教授より、「日本の憲法と政治的アイデンティティ」をテーマに、日本国憲法の成り立ちから憲法9条をめぐる議論まで、わかりやすくご講義頂き、研修生からも「非常にわかりやすかった」「憲法について疑問に思っていたことがすっきりと理解できた」という感想が多く聞かれました。また、「憲法について理解することは日本文化や精神を理解する上で不可欠だと思う」「非常に質の高い講義を受けることができて嬉しい。これからの講義にも期待したい」といった意見も多く見られました。第一回目の講義にふさわしく、非常に満足度の高い講義となりました。

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この連携講座シリーズでは、多角的に日本のことを理解してもらうため、研修生たちの専門分野である、外交・安全保障・政治以外にも、たとえば環境という側面から、松本充郎准教授による「日本と水問題について」という講義を受講させて頂いたり、また経済の側面からは、小原美紀准教授に「日本における格差の動向」についてご講義頂いたり、と実にバラエティに富んだテーマについてご講義頂きました。中でもヴァージル・ホーキンス准教授による「日本のメディア」についての講義には、「日本に来るまで日本のメディアについて何も知らなかったので、勉強になった」「日本において自国(アフリカ)についての情報が少ないので、今後発信できるようにしたい」等の感想が寄せられ、将来に繋がる機会となったようです。また、研修生たちからは連携講座全体を通して、「日本の文化やアイデンティティの背景についてよく理解することができた」「日本の様々な側面と現状を知ることができた」との感想が聞かれました。

2月7日(金)最終の講義(第12回目)では、大阪大学豊中キャンパスにて、OSIPPの生徒さんにもご参加頂き、外交官公務員日本語研修生とOSIPP生による研究発表と交流が行われました。

全体のファシリテーターを星野研究科長に務めて頂き、外交官公務員研修生代表として、チリ外交官のミシェルさんが「チリの外交政策について」をテーマに発表しました。主要なチリの外交政策についてブリーフィングした後、日本との二国間関係や、世界各国との関係性について、説明しました。特に、チリとアフリカとの関係については、アフリカ出身の研修生が多いこともあり、質問や意見が活発になされました。普段の日本語研修とは変わって、研修仲間の国に関する発表を聞き、研修生たちも皆日頃とは異なる刺激を得た様子でした。

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 OSIPP側からは学生たちが立案し4カ国(アフガニスタン・カザフスタン・カンボジア・ミャンマー)で実施することを想定した「ODA(政府開発援助)政策実施案」について発表していただきました。これは政策を学ぶOSIPP生たちにとっては、主に開発途上国出身で日本の援助を受ける国々の公務員・外交官の観点から、自らの立案した事業内容や実施計画がどれほど実現可能なのかについてフィードバックを得る貴重な機会となりました。連携講座で「日本と地域統合」についてご講義下さった中内政貴先生がファシリテーターとなり、OSIPP生たちは限られた発表時間の中で自分たちの事業案の予算や期間、手段、効果等をわかりやすく簡潔に発表しました。これを受けて質疑応答では、研修生、OSIPP生双方から活発に質問や意見が交わされました。実際にODAに関わる仕事をしている外交官・公務員からは、「自国でも実施してみたい」との意見や「日本がどういう形でODAを提供できるのか知ることができて今後の参考になった」という感想が寄せられました。連携講座の締めくくりに相応しい、非常に有意義な時間となりました。

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最後に研修生とOSIPP生との懇親会を開きました。日本人学生のみならずOSIPPへ留学している世界各国から集まった学生たちと交流できたことは、研修生にとってまたとない機会となりました。また、前半でのそれぞれの発表について、更に議論を深める姿もあちこちでみられました。深まる議論に1時間という時間はとても短く、あっという間に時は過ぎていきました。交流会の最後に、研修生を代表してボツワナ外交官のコケツォさんが「この場をお借りして、連携講座に参加頂いた先生方、スタッフの皆様に心からお礼を申し上げたい。この連携講座で学んだことを糧として、外交官としての職務を全うしたい。」と力強い結びの挨拶とお礼の言葉を述べ、4ヶ月に渡る講義は終わりを迎えました。

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TH13.jpg全12回の講義を通して、研修生たちは様々な側面から日本理解が進んだようです。特にこれから日本と自国をつなぐ架け橋となる使命を背負っている外交官・公務員にとっては、非常に貴重な経験となりました。また、日本の大学・大学院教育についても関心が高まり、日本の大学院にぜひ留学したい、という声も多く聞かれました。

 今回の連携講座にご協力頂きました大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)の先生方、スタッフの皆様、本当にありがとうございました!

 

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大阪大学大学院国際公共政策研究科→http://www.osipp.osaka-u.ac.jp/


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