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受託研修:カタール青少年訪日研修を実施いたしました。

 

 国際交流基金関西国際センターでは、海外の非営利日本語教育機関の委託を受けて(1)日本語を運用すること、(2)日本の文化・社会について理解を深めること、(3)自身の日本語学習について考えることを目標とした集中日本語訪日研修を多数実施致しています。

 

今般、2014年4月6日(日)から4月19日(土)まで、アラビア半島東部のカタール半島にあり、中東屈指の国際都市ドーハを擁するカタールの文化芸術歴史遺産省所管のドーハユースセンターの委託を受け、カタールの若者16名とカタール政府からの引率者2名をお迎えして訪日研修を実施しました。

 

本研修は、当センターで実施している外国政府の外交官・公務員を対象とした日本語研修(2011年9月~2012年5月、8ヶ月間)に参加したカタールの外交官であるアブドゥラ・ジャシム・アルジャーラ氏の発案により、カタール政府から委託を受けて2013年に実現に至ったものです。アルジャーラ氏は、当センター滞在期間中の日本人との交流や日々の経験に感激し、「カタールで日本語を学んでいる若者たちにも、日本を体験する機会を提供したい」と、本国に働きかけました。そして、ユセフ・モハメド・ビラール駐日本カタール大使やカタール文化芸術歴史遺産省のアブドル・ラフマン・モハメッド・アルハージリ青少年局長の支持を得て、カタール文化芸術歴史遺産省主催によるカタール青少年のための訪日研修が実現しました。今回は、初回の成功を受け、2回目の研修を実現することができました。来日した若者16名は、カタールの新聞等で広く募集された日本に関心のあるカタール青少年たちで、ドーハユースセンターにて面接のうえ選抜されました。

 

2週間にわたる本研修のハイライトをご紹介します。
4月7日(月):開講式・日本語授業

 

開講式では、当センター副所長村田曉彦の歓迎挨拶に続き、カタール側を代表してアルジャーラ氏が挨拶と参加者へ心構え等について話し、参加者は熱心に聞き入っていました。短期間の日程でも最大限の効果をあげるため、午後には早速日本語の授業を開始。日本語が初めてという参加者もいましたが、自己紹介など実践的な日本語を練習し、実際にセンター職員などを相手に自己紹介を行いました。覚えたての日本語を実践し、参加者はうれしそうでした。

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4月9日(水)~10日(木):広島研修旅行

 

宮島では、瀬戸内の静かな海と調和した厳島神社や木々の緑や静かな町並みに、日本人が長く守ってきた自然や文化・伝統を感じ、感銘を受けた参加者が多かったようです。中工場では、最新の技術が導入された設備について解説して頂きながら見学しました。精密な自動化運転により省力化された焼却設備や、工場内で発生する余熱を利用した周辺施設への温水送付、電気の発電や余った電気を電力会社へ売却していること等、日本の技術の発展について学びました。また、工場に煙突が無く煙がどこからも出ていないことに気がついた参加者より、なぜ煙が出ないかという質問があり、排ガス中のばいじんやダイオキシン類をはじめとする有害な物質を除去し、騒音、悪臭を外部に出さない仕組みについて説明いただき、感心していました。また平和記念公園と資料館では、原爆被害の恐ろしさを再確認するとともに、被爆者やそのご家族の苦しみを思い、平和への願いを新たにしました。

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4月11日(木)~12日(金):京都研修旅行

 

京都では、日本の伝統文化に触れ、理解を深めました。
京扇子作りを体験し、桜やアニメなど日本的な絵など思い思いの絵付けを行いました。清水寺や金閣寺等の世界遺産も訪れ、日本の伝統的な建築美にも触れました。また、抹茶を楽しんだ参加者もおり、アラビアコーヒーとの類似点(苦い飲み物とともに甘い物を楽しむ)も発見しました。
 研修旅行の意義は、日本文化を体感できることだけではありません。教室から一歩外にでることで、様々な機会を通じて日本人と会話することができ、各自の日本語能力や学習意欲の向上に繋がります。参加者はみんな大変積極的で、着物を着た観光客や修学旅行生にも積極的に日本語で話しかけ、「日本語が通じた!」と実践の成果を体感していました。

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4月13日(日) 阿倍野区防災センター訪問

 

阿倍野区防災センターでは、センターの方に案内していただき、防災に係るさまざまな体験をしました。地震体験や消火体験、煙の充満した部屋を脱出する体験等、研修生にとってこれまで地震は身近なものではありませんでしたが、センターの訪問を通じて防災について学ぶ機会になったようです。

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4月14日(月)~16日(水):東京研修旅行

 

東京では、ユセフ・モハメド・ビラール駐日本カタール大使に公邸での昼食会を開催いただきました。ビラール大使からは、日本文化の魅力や日本人の精神性に関する好意的な部分について、身近な例をあげながら、わかりやすくお話していただきました。
また、江戸東京博物館や国会議事堂を訪問し、東京・江戸の歴史や日本の政治システムについても学び、多角的な視点から日本理解を深めました。
自由行動時間は、待望の秋葉原へ行くことができた参加者もおり、心からうれしそうでした。

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関西国際センターでの日本語授業・文化体験

 

日本の伝統文化を学び、体験することは、日本理解の更なる促進に繋がります。本研修では、着物着付、生け花、和太鼓、書道と計4回の日本文化体験を実施しました。着物着付の授業では、今井喜美子先生に着物を着せていただいたあと、着物のご説明などをいただきました。阿部祐子先生による、生け花の授業では、お花や道具の種類、お花を活けるときの注意点についてお話していただいた後、皆、思い思いの方法でお花を活け、センター内に作品を展示しました。

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最終日には、日本で学んだことについて、全員がテーマ別に発表しました。「カタールとの類似点」「日本について興味深かったこと」などのテーマが多く、日本人の方が駅のプラットホームで電車が去るまでお辞儀を繰り返し、日本人の丁寧さに感銘を受けたことなどをあげていました。

 

4月18日(金):修了式

 

そして最終日。アブドゥラ・ジャシム・アルジャーラ氏が日ごろからお世話になっている泉佐野地球交流協会の皆さんをお招きして修了式を実施しました。当センター副所長の村田曉彦より、参加者全員に修了証書を授与し、ご挨拶させていただいた後、研修団を代表してアブドゥラ・ジャシム・アルジャーラ氏から、最後に、研修参加者代表としてルルワ・モハメド・アル・ムサルマニ氏とアハメド・ヨセフ・アル・アハマド氏が研修の感想と感謝の挨拶を行ないました。
アルジャーラ氏からは、来年度以降も本研修を継続実施したいとの表明がありました。なお、本グループの滞日中も、本研修はカタール国内の報道機関で取り上げられていたようです。

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