研修参加者レポート

専門日本語研修(文化・学術専門家)6か月コース


H29年度 専門日本語研修(文化・学術専門家)6ヶ月コース
研修期間:2017年10月4日-2018年4月4日

忘れられない6ヶ月

ラン・リュウ(中国/米国)

 この研修は私の人生で最も忘れられない6ヶ月でした。10月に日本に着いてすぐ、私たちはすばらしい紅葉を見ました。そして今、私たちの帰国直前に桜が満開になり、「さようなら」と言っているようです。その間に、美しいイルミネー1.jpgションのイベントに行ったり、クリスマスや日本の新年を祝ったり、時々雪も見たりして、大阪の暖かい冬を楽しみました。私たちは滞在中の毎分毎秒、日本の文化や生活に酔いしれて、日本語の能力がいつの間にか伸びました。
 私が今書いている博士論文は、教育政策及び数学と科学の学力におけるジェンダー差に関する国際比較の研究であり、日本はその研究の重要なケースの1つです。日本のケースを研究するためには、日本の学術論文や新聞や政府の報告書などを速読できる能力が必要です。また、私の研究を日本の研究者達に紹介して、意見をもらいたいと考えています。そのため、このプログラムの中で最も役立った授業は、アカデミック文法と文章表現の授業だと思います。これらの授業を通して、学術的な文章を読んだり書いたりする能力が大きく伸びました。センターに来る前は、日本語で自分の研究を日本語で紹介したり、レポートを書いたりすることはできないと思っていました。しかしこの6ヶ月間で、予想以上に進歩することができました。
 授業や宿題や研究以外で、専門活動はプログラムの重要な一部でした。2回の専門活動集中期間の間に、私は東京や名古屋や福岡など色々な町に行って、学会に参加したり、日本の教授や研究者達に会って、研究について重要な意見をもらったりしました。そして、私にとって必要な資料がある国立教育政策研究所の教育図書館も訪れました。センターは専門活動の経費を負担するだけではなく、私達にとって必要な日本の学会との繋がりも支援してくれました。
 センターの皆さんは、私たちが研究に集中するために、最高な環境を作ってくださいました。先生たちは皆、経験豊2.jpg富で気が長く、楽しい人たちです。私たちの研究テーマと日本語の能力に基づき、特別なプログラムを提供してくださいました。図書館の司書さんもとても親切で知識豊かです。彼らの手を借りて、私たちは必要な本や論文を見つけることができました。センターの他のスタッフも皆優しくて、家族のようになりました。私たちはもうすぐ帰国しますが、本当に「さようなら」と言いたくないです。これからもずっと日本に関する研究を続けて、そして必ずセンターに帰ってくる日があると思います。

影響が止めどなく続くに違いありません

エイミー・オバマイヤー(米国)

 6ヶ月の研修の終わりが近づいていますが、早く時間が経ったことと、自分の日本語能力が進歩したことに驚きを感じています。この短期間の進歩は、先生やスタッフの教えや助けなしには不可能だったと思います。関西国際センターの皆さんは信じられないほど親切で、我慢強くて、経験豊富でした。この研修を通して、自分自身の日本語能力が進歩しただけでなく、他の研修生の言葉遣いや話し方を聞いても全員が成長したことは明らかです。
 私の日本文学の学者としての成長には、このプログラム全体が役立っているに違いありませんが、特に2つの側面、個別授業と研究支援が際立っていると思います。私の研究は主に20世紀初頭の文学に焦点を当てているので、私の扱うテキストを理解するために必要な文法や構文は一般的な日本語の授業では教えられないことがあります。しかし、毎週の個別授業を通して、そのような隙間を埋め、理解を深めることができました。関西国際センターに来る前は、英語の翻訳なしで日本語で日本文学を読むことに違和感を感じていました。しかし、チューターと一緒に田村俊子が書いた1914年の「木乃伊の口紅」を読んで、毎週の個別授業で話し合ったので、これからは一人で文学作品が読めると思います。
 また、研究を発展させるために、センターの研究支援は非常に貴重でした。国際交流基金のおかげで、日本各地を訪問しながら、研究の資料を集めたり、研究対象の時代背景の理解を深めたり、学会やワークショップなどに参加3.jpgしたりできました。写真は博物館明治村にある田村俊子の師匠である幸田露伴の家の様子です。1週間程度の専門活動集中期間は2回ありますが、その前に、国会国立図書館関西館と国際日本文化研究センター(日文研)を訪問し、紹介していただく機会もあります。更に、知識豊富な図書館の司書がいつも支援してくださいます。関西国際センターのスタッフの指導なしには、研究に関連した利用可能な資料やどのような機会があるのかを知ることすらできませんでした。私が持ち帰る多くの資料は、以前はその存在すら知りませんでしたが、今では執筆中の博士論文の色々な議論で中心になるものだと思います。しかも、専門活動期間の間に、私の研究分野において海外および日本国内で活躍する研究者たちと新しい関係を築くことができました。近い将来、研究分野で協力したり、議論したりすることもあるでしょう。以上より、私が進んでいく学術の道において、この研修に参加した経験がもたらす影響は止めどなく続いていくものだと思います。

専門活動と研究発表

マリア・コラソン・レイエス(フィリピン)

専門活動
 私が6ヶ月コースに参加した主な目的の1つは、日本で専門的な研究を効果的に実施することです。国際交流基金関西国際センターは、十分に計画された活動スケジュールで研修を進め、研修参加者にセンター外で各自の研究を行う機会を提供しています。具体的に言えば、フィールドワーク、学会への参加、インタビュー、データを収集するための研究活動、また研究者との学術ネットワークを広げることもできます。
 最初の専門活動は12月に行われました。これは前期クラスの終了直後であり、2回目の専門活動は2月に行われ4.jpgました。この2回の期間中に、個々の研究活動を行うことができますが、注意深く詳細な準備が必要です。担当チューターは、研修生がインタビューアンケートを作成する際に助けたり、指導したり、希望する教授やインタビュー相手に失礼のないように丁寧に連絡したりする際に相談にのってくれます。
 専門活動を実施する前に、その効率的な計画方法と、活動の前後に提出する必要がある2つの書式についてのオリエンテーションが開催されました。まず、専門活動の計画書は、研究活動の実施に必要な支援をセンターが提供できるように、予定された活動期間の1~2週間前に提出しなければなりません。その後、センター外での研究活動を行った後、研修生は、専門的活動で得られた成果に関する報告書を提出する必要があります。
 センター外で行う専門活動は、私たちの話す日本語を改善させる最も重要な機会の1つです。インタービュー相手、教授または共同研究者と適切にコミュニケーションするために、私たちは日本語を使用する必要があります。それは、各研修生がクラスで学んだ文法と会話スキルを実証できる重要な活動です。この専門的な活動は、私たち一人一人が日本語の会話スキルを向上させるのに役立ちました。

研究発表
 次に、各参加者がそれぞれの研究の要点を発表する研究発表会もあります。これは、12月に1回目、3月に2回目が行われます。研究発表は、私たち一人一人が研究について説明するもので、特に日本語能力を発揮することが求められ、また研究に関する質問に日本語で答えることができなければなりません。
 5.jpgプログラムの最後は3月に行われた最終研究発表会でした。私たち一人一人がどのような大変な準備をしたかを覚えています。その結果、2日間の最終発表会は成功しました。
 この研修を通して、私の論文にとって非常に重要なフィールドワークを行えたことに深く感謝しています。先生方、図書館、そして事務スタッフからの支援は、私たち一人一人に本当に役に立ちました。
 国際交流基金関西国際センターは、日本語を学ぶだけでなく、私たちの個別の研究を支援するため、一連の活動を提供してくれました。このプログラムに参加する次の研究者にとって、ここでの日本語の勉強や経験は間違いなく役立つものになるでしょう。

関西国際センターの若手研究者コミュニティ

パーズニエフスキー・シモン・ズビギニエフ(ポーランド/英国)

  専門日本語研修(文化・学術専門家)6ヶ月コースは、日本で研究活動を進めるのに必要な日本語と学術スキルを伸ばすことを目的とし、様々な文化背景や専門分野を持つ若手研究者に他にはないユニークな機会を提供していま6.jpgす。向上心にあふれた若手研究者が集まる多様性のあるコミュニティは、日本文化を学び、同時にそれを楽しむ活気に満ちた新しい環境です。参加者を支えてくださるのは経験豊富で熱心な先生方、司書やスタッフの皆さんです。関西国際センターの施設は、日本語学習や学術研究に最適です。レベルに合わせた特別な日本語の授業では、先生は常に支援を惜しまず、くわしく教えてくださいます。図書館の司書の方々もとても親切で、日本国内の主要アーカイブへのアクセスをはじめ、様々な書籍、定期刊行物、その他の関連資料の収集を手伝ってくださいます。
 プログラム自体は挑戦的なものですが、2回の専門活動集中期間に向けて、最適な準備ができるよう、よく構成されています。研修参加者は研究分野の専門家や関係者とのインタビュー、面談や議論などの研究活動を行うことができます。現在の研究課題に取り組む研究活動に加え、研究者との関係を構築できる機会もあります。例えば、日本各地で開催される研究関連セミナー、会議、イベントに参加できます。最終発表会では、研修期間に行った研究結果について報告する重要な機会もあります。日本で得られたこの機会は、7.jpg今後研究を進めていく上で大変役立つものだと思います。
 このプログラムは研究を進める上ですばらしい環境が準備されていますが、その他に、書道、茶道、生け花などの日本文化を幅広く学ぶ機会もあります。また、プログラム終了時は桜の花が咲く時期になります。さらに、地元のボランティア団体が主催するイベントに参加することを通し、心地よい環境で日本語を話す練習をする機会もあります。関西国際センターには日本とそれぞれの国をつなぐ研究や文化に貢献する一生に一度の機会があります。

6ヶ月の経験について

マリオ・マロ・サンス(スペイン)

  研究者としての私の学術経験を考えると、6ヶ月のプログラムの中で最も重要なことの1つは、私の研究分野においてフィールドワークを行ったことだと言えるでしょう。フィールドワークを通して、福島と岩手で最も重要なNPOのい8.jpgくつかが社会的につながっていることを十分に理解することができました。研究方法を書誌的アプローチから民族的アプローチに変更したため、2回の専門活動はとても重要なものでした。
 また、関西国際センターについて言えば、異なる文化背景を持つ参加者との知的交流が基礎になっています。簡単に言えば、センターではいくつか研修が実施されているので、参加者は様々な研究分野の友人を作ることができます。私の場合は、私が参加していた研修の研究者だけでなく、他の研修に参加していた外交官とも、とても大切な経験を共有することができました。
 9.jpgさらに個人的な話をすれば、センターのある田尻町には、ICA(泉佐野地球交流会)、会話パートナー、熊取町国際交流茶友会などの地域ボランティアと関西国際センターとの特別な相乗効果があります。私はボランティア活動のしくみと、それがどのようにセンターのある国際社会の周りで構築されているのかを知ることができました。私たちに様々な日本文化の側面を教えてくださったICAのボランティアの皆さんには特に感謝しています。また居合道の無外流を私たちに教えてくださった3人のすばらしい先生方にも感謝しています。
 最後に、研修を通して得られる経験は大変なものですが、本当にやりがいのあるものです。先生方の指導についていけば、大きな進歩が見えてくるはずです。

 

 

 



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