研修参加者レポート

日本語教育キャパシティビルディング 東南アジア日本語教員養成大学移動講座(タイ)


平成26年度 日本語教育キャパシティビルディング東南アジア日本語教員養成大学移動講座(タイ)

研修期間:2015年1月13日-2015年2月26日

 

◆大学生参加者レポート

 

全体のプログラム

 

このプログラムは、日本語教員を目指している人を対象としたものです。参加者の大学生は、タイの5つの大学から来ました。ブラパー大学から5名、チェンマイラチャパット大学から5名、チェンライラチャパット大学から5名、コンケン大学から5名、そして、ウボンラチャタニー大学から5名です。また、各大学から1人ずつ教員も参加しました。それで、参加者は全員で30名です(大学生25名、教員5名)。
このプログラムでは日本語を勉強するだけではなく、日本についての様々なことを経験することができました。例えば、日本の大学生と交流したり、文化体験をしたり、学校訪問をしたりしました。また、日本の社会への理解を深めるために、日本について自分が興味を持つテーマを選び、地域の人や日本の大学生にインタビューしました。それから、日本をもっと理解するために、このプログラムで関西地方の色々な所へ行きました。例えば、京都、神戸、奈良などを見学しました。1、全体.png

日本語の授業

このプログラムでは、授業が4つに分けられています。日本理解とディスカッション、スピーチ、インタビュー、日本語バラエティです。
日本理解とディスカッションでは、日本について、友達と色々な話題を話し合いますが、そのとき、できるだけ自分が知っている日本語を使って、自分の意見を出します。そして、その意見を友達と交換し、自分の国と比べてどうなのか、お互いに話し合い、ディスカッションの後にメモをします。この授業で勉強したおかげで、日本という国や、日本人の考え方が、もっと分かるようになりました。
スピーチの授業では、自分の国について、日本人に紹介したいことや、日本人に知ってもらいたいこと、自国の伝統的な祭りなどをテーマとして、スピーチ原稿を作りました。そして、最後のスピーチの授業で、先生たちやクラスの友達の前で、発表しました。
インタビューの授業では、日本について興味を持つテーマを選んでから、自分のグループと相談し、質問を作りました。そして、地域の人、日本の大学生にインタビューしました。毎回のインタビューの後には、グループで結果をまとめて分析し、最後に、発表会のときに、その結果を発表しました。
日本語バラエティは、もっと楽しく会話をするために、日常生活で使われている言葉や、関西弁や、若者の言葉などを勉強する授業です。この授業で勉強すると、日本人ともっと楽しく会話することができます。
4つの授業以外に、学習相談や教材紹介、2週間の振り返りという授業もあります。この6週間は短い期間ですが、色々なことを体験することができ、日本語だけではなく、社会や、文化なども体験することができました。また、この6週間のおかげで、たくさんの日本語を使う機会ができ、自分の日本語も上達しました。それだけではなく、たくさんの日本人と出会い、話したり、意見を交換したりして、とても楽しかったです。何より、友達ができて、一緒に色々な活動をしたことが、一番いい思い出になりました。

2、授業.png

 ティー (ウボンラチャタニー大学)

 

文化体験

6週間の研修の中で、3つの文化体験がありました。それは和太鼓、合気柔術と書道でした。この中から、自分がやりたいものを2つ選ぶことができました。それぞれの文化体験を見てみましょう。

 

●和太鼓 
私たちは日本の伝統的な「和太鼓」という太鼓に挑戦しました。3つのパートに分かれて、パートごとに違うリズムを練習しました。最後に全員で合わせて和太鼓を叩きました。みんな楽しんで笑顔で和太鼓を叩きました3、和太鼓.png

 4、和太鼓2.png

●合気柔術

 5、合気柔術.png

これは、日本の武術のひとつ「合気柔術」といいます。自分の体で自分を守る方法を体験しました。体のほかに、刀も使ってみました。私たちは疲れたし、体も痛かったですが、友達と一緒にやるのはとても楽しくて、最高でした。

6、合気柔術2.png

 ●書道

日本の文字を筆で書いてみました。初めての経験なので、授業中、みんな静かで、一生懸命に練習しました。そして、自分の好きな漢字を選んで、色紙に書きました。書いた色紙は国へ持って帰れます。新しい経験になったし、おみやげもできたし、とてもよかったです。

7、書道.png

ファス(コンケン大学)

 交流会

 6週間の間に、交流会は5回ありました。まず、熊取町立南小学校を訪問しました。私たちはタイについてのポスターを作って、小学生に紹介しました。小学生が学校を案内してくれました。そのあと、小学生の皆さんと一緒におしゃべりしながら、昼ごはんを食べました。

 8、小学校.png

次に、センターのホールで地域の方にインタビューしました。皆さんはとても優しかったです。 三回目に、武庫川女子大学で交流しました。大学生に図書館を案内してもらってから、インタビューをしました。そのあと、昼ごはんを一緒に食べました。四回目には、立命館大学で交流しました。昼ご飯を一緒に食べたり、大学の周りを案内してもらったりしました。色々なことを話して、とても楽しかったです。大学生の方が「タイへ行きたい」と言ってくれて、すごく嬉しかったです。

 9、武庫川女子大.png

最後は、関西国際センターで日本語教育に興味がある大学生と交流しました。私たちは交流会パーティーを行うために、タイダンスを練習したり、場所を準備したりしました。それから、大学生に若者言葉や方言を教えてもらいました。はじめは関西弁について知りませんでしたが、教えてもらって、よくわかりました。とても楽しかったです。
何回も日本人と交流したことは 知らなかったことを知ることができたし、友達ができたし、とてもいい経験だったと思います。

エー(コンケン大学)

 

アドバイス

このブログラムは、6週間という長い期間なので、日本へ来る前に準備しておいたほうがいいことや注意したほうがいいことがあります。
まず、このブログラムでは日本人と交流するチャンスがありますから、自分の国について紹介したいことやものを持って来たほうがいいと思います。例えば、タイ語が書いてあるものや観光地のガイドブックや食べ物などです。そして、研修中には、スピーチを書いたり、発表会を準備したりする必要があるので、自分のパソコンがあったら、ぜひ持って来てください。それから、自分の大学を紹介する発表会があるので、大学のデータや大学のパンフレットなども準備しておくといいと思います。
また、もちろん日本には病院や薬局がありますが、もし皆さんは持病があったら、自分の薬を必ず持ってきたほうがいいと思います。
この6週間はとても楽しくて、とてもいい体験になりました。皆さんも頑張ってください。

ベン(チェンマイラチャパット大学)

 

 

◆教員参加者レポート

全体のプログラム

今回6週間の研修の中で、私たち教員は、日本語教師としての業務に役立てるため、教授法の授業、授業見学、自主研修活動など、研修中のさまざまな活動を通して、貴重な授業づくりのコツ、知識などを得ました。毎回の授業見学では、これまでの自分の授業を振り返ることができました。関西国際センターの授業の流れは、学習者を中心とした教育を大切にしていると強く感じられました。さらに、学習者の考える力、伝える力を上手に育てているように見えました。このような授業の進め方で、学習者は少しずつ自信を持ち、日本語で発話できるようになったと思っています。

10、教員全体.png

オウ(チェンマイラチャパット大学)

 

自主研修活動

このプログラムには、自主研修活動期間もあります。自主研修活動とは、日本語教師としての仕事に役に立てるため、各自のテーマに合わせて、自分で研修を計画することです。
私の場合は、初級文法の授業以外に日本文化と日本事情という科目も担当しているので、その分野についての資料や写真など収集したいと思っていて、様々な場所へ見学に行きました。例えば、日本史について学べる所として、日本で初めて世界遺産に登録された姫路城へ見学に行きました。姫路城では、日本の戦国時代から明治時代までの歴史を学べ、特に「防御設備」という敵を防ぐための機構や整備などの写真を撮影したり、資料を集めたりできました。また、兵庫県立歴史博物館、京都伝統産業ふれあい館、大阪歴史博物館、大阪くらしの今昔館などにも行き、文化と歴史を学ぶことができました。更に歴史的な場所だけではなく、日本事情の分野に関わる場所も見学することができました。例えば、日本の市場と商店街の特徴に興味を持つ私の場合は、黒門市場、錦市場、千日前道具屋筋商店街、天神橋筋商店街などを見学して、日本の市場や商店街の雰囲気を撮影できました。帰国後、歴史と文化の授業で、撮影した写真と手に入れた資料を教材として利用し、また、日本事情についてのディスカッションのような授業にも利用しようと思います。

 ビー(ウボンラチャタニー大学)

 

私の場合は京都の東寺、伏見稲荷大社、祇園、また兵庫県立美術館、生田神社、神戸港震災メモリアルパーク、神戸元町商店街、鉄人28号モニュメントなどに行くことができました。授業の時タイと日本のお寺の違いやタイと日本の仏教の違いなどを説明できるように、写真を撮影したり、ビデオを撮ったり、資料を収集したりしました。また見学する前の計画書の書き方、そして戻って来た後の報告書の書き方も大変勉強になりました。このプログラムでは色々な研修活動があり、授業見学、文化体験、研修旅行、交流会など、教員としての授業活動に役立つリソースをたくさん収集できました。更に自分の授業をふりかえることができ、学生の日本語の力や日本に関する知識をアップさせるためにどんなことが必要なのかや実際教師の役割は何かなども勉強になりました。

グン(チェンライラチャパット大学)

 

教員向けの授業

教員向けの授業はいくつかの日に分かれて行われました。
1月19日に「体験交流型日本語学習」に参加して、この研修の目的がよく分かり、活動を中心にする日本語学習についてのやりかたや目標などが分かりました。特に「JFスタンダード」に興味を持ちました。自分の学習者がどのぐらい日本語ができるかを調べられて、自分の授業に役に立つのではないかと思ったからです。
1月21日に「話すことを教える」に参加して、OPIについて分かりました。学習者がどのぐらい日本語ができるのかが分かるだけではなく、いろいろな「質問のやり方」はとても面白かったです。「意見を言わせるように問いかけること」や「だんだん深まる質問のやり方」などは、会話の授業のために参考になると思います。
1月28日の「日本語教材の紹介」では、いろいろな教科書と本を紹介してもらいました。特に『まるごと』と『できる日本語』と『漢字たまご』という本について、まったく知らなかったので、それぞれの本のいい点とよくない点、又はその本の使い方などを紹介してもらって、大変勉強になりました。
2月10日の「日本語教育リソース紹介」では、様々な日本語教育リソースを紹介してもらいました。前はサイトを使いたいと思ったときも、サイトが多すぎて、どのサイトがいいか全然知らなくて自分でもはっきり選べなかったので、学生に紹介してあげることができませんでした。しかし、この授業で「日本のかな・文字・漢字」や「書くこと」や「読むこと」や「話すこと」や「日本事情・日本文化」などの種類に分けて紹介してもらったので、これから紹介しやすくなりました。11、教員授業.png

 ノーイ(コンケン大学)

 

授業見学

研修期間の中で、国際交流基金の先生方の授業を見学させていただきました。主に、ディスカッション、スピーチなど学生の話す力を育てるものでした。国ではあまりしゃべらないのに、授業で楽しそうによくしゃべる学生もいました。教師のクラス運営のしかたはもちろん、学生の能力に常に配慮した授業計画など、その大切さを実感しました。学生の日本語力をいかに伸ばしていくかについて、今回の授業見学を通して、授業をする教師側の考えだけでなく、学習者の視点からも考えることができました。

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 プロイ(ブラパー大学)

 

本研修の実施にあたっては、立命館大学、武庫川女子大学、熊取町立南小学校をはじめ、様々な機関からご協力をいただきました。誠にありがとうございました。

 



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